Search
国際情報
International information

「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。

知る学ぶ
Knowledge

日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。

ジョギング・ランニング人口

2022年 ジョギング・ランニング推計実施人口は877万人
前回調査は1,055万人。コロナ禍前の水準に戻る。

ジョギング・ランニング実施率の推移

過去に実施したスポーツライフ・データの集計結果を二次分析し、成人や青少年の運動・スポーツ実施率の推移を種目別にまとめています。

2022年の調査では、20歳以上のジョギング・ランニング実施率(年1回以上)は2018年・9.3%から2020年・10.2%にかけて増加したものの、2022年は8.5%へ減少しました。ジョギング・ランニング推計人口は2020年の1,055万人から877万人という結果となりました。

2022年のジョギング・ランニング実施率はコロナ禍前の水準に

ジョギング・ランニングの年1回以上の実施率は、外出制限などを余儀なくされたコロナ禍初期である2020年に全体および男性で過去最高を記録したが、さまざまな規制が緩和されはじめた2022年は減少しコロナ禍前の水準に戻った。コロナ禍でさまざまな活動が制限される中でジョギング・ランニングを始めたものの、継続に至らなかった人が一定数おり、その傾向は男性に強かったと考えられる。筋力トレーニングや体操など他のエクササイズ系の種目も同様の傾向を示していることを鑑みると、2020年の増加は一時的なものだったと推察される。

一方、女性の実施率はコロナ禍における一時的な増加もみられず、2018年以降減少傾向である。女性のなかでも40歳代以上は横ばいまたは増加しているのに対して、30歳代以下では2018年から5ポイント以上減少している。若い女性のジョギング・ランニング離れが起きているのか、また元の水準に戻るのか、コロナ後の推移も注視する必要がある。

笹川スポーツ財団 政策オフィサー 鈴木 貴大


主な調査結果

1. 2022年のジョギング・ランニング実施率(年1回以上)8.5%、推計実施人口877万人

 2022年の年1回以上のジョギング・ランニング実施率は8.5%であり、2020年の10.2%から1.7ポイント減少した。性別にみると男性の実施率は12.3%、女性は4.6%でありいずれも2020年から減少している。

 ジョギング・ランニング実施率の推移を過去20年間で振り返ってみると、2002年(4.8%)から2012年(9.7%)にかけては右肩上がりで増加し、その後は多少の変動はあるものの総じて横ばいである。

 2022年の年1回以上のジョギング・ランニングを実施した人は推計で877万人であった。過去最高を記録した2020年の1,055万人から178万人減少し877万人であった。性別にみると男性は612万人、女性は245万人であり年1回以上ジョギング・ランニングを実施する人は男性に多い。この傾向は調査を開始した1998年から同様であり、2002年から2012年にかけて広がった実施率の男女差は開いたままである。

表1 ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)と推計実施人口(万人)の年次推移(全体・性別)
調査年 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022
全体 実施率(%) 6.9 7.7 4.8 6.6 5.9 7.3 8.5 9.7 9.5 8.6 9.3 10.2 8.5
推計人口(万人) 675 766 483 671 606 755 883 1009 986 893 964 1055 877
男性 実施率(%) 8.7 10.5 6.2 9.7 8.1 10.0 12.2 14.0 12.9 11.8 12.9 14.9 12.3
推計人口(万人) 413 506 302 478 402 500 612 703 647 592 646 744 612
女性 実施率(%) 5.2 4.9 3.4 3.5 4.0 4.6 4.8 5.3 6.1 5.4 5.8 5.6 4.6
推計人口(万人) 262 251 176 184 212 246 257 285 327 290 311 300 245

注1)推計人口は住民基本台帳の成人人口(人)に実施率(%)を乗じて算出
注2)推計値を算出する際に端数が発生するため、全体の人口と男性・女性を合計した人口は必ずしも一致しない
笹川スポーツ財団「スポーツライフに関する調査報告書」(1998~2022)より作成

2.【性別・年代別】 ジョギング・ランニング実施率(年1回以上)

■男性40歳代の17.7%が最も高い

■女性・30歳代の実施率が4.2%と過去最低を記録

 年1回以上のジョギング・ランニング実施率を性・年代別にみると、2022年の男性では40歳代の17.7%が最も高く、30歳代15.2%、20歳代14.0%と続く(図表2)。50歳代以下の実施率は調査年度によって大きな変動はあるものの、2020年までは総じて増加の傾向を示し2020年から2022年にかけて減少した。一方、60歳代と70歳以上の2022年の実施率は2020年より増えている。

 

 女性の2022年実施率は20歳代の10.5%が最も高く、40歳代7.1%、50歳代4.6%と続く(図表3)。女性は20歳代の実施率が他の年代に比べ高い傾向が続いているが、2020年の15.8%から5.3ポイント減少し、他の年代よりも減少幅が大きかった。また、30歳代の実施率が4.2%と過去最低を記録した。

 

3. 週1回以上の実施率は2012年以降は多少の増減はあるものの、横ばいで推移

 全体の週1回以上の実施率をみると、2022年は5.4%と2020年から0.2ポイント減少した(図4)。2012年以降は多少の増減はあるものの、横ばいで推移している。男性は8.0%と前回から0.7ポイント減、女性は前回の2.6%から2.7%へと横ばいで推移している。

 全体の実施率の過去20年間を振り返ると、年1回以上と同様に2002年から2012年にかけては右肩上がりの増加傾向、その後2022年までは横ばいで推移している。年1回以上では2020年から2022年にかけて実施率は減少したが、週1回以上の実施率にほとんど変化はみられなかった。

4. 都市規模別のジョギング・ランニング実施率(年1回)

年1回以上のジョギング・ランニング実施率を都市規模別にみると、2022年は東京都区部が10.1%で最も高く、人口10万人以上の市9.2%、町村8.4%と続く(図5)。20大都市は2020年の実施率が11.8%と最も高かったが、2022年には4.2ポイント減少し7.6%と4番目の実施率となった。

 

 

スポーツライフに関する調査2022 概要

調査内容
運動・スポーツ実施状況、運動・スポーツ施設、スポーツクラブ・同好会・チーム、スポーツ観戦、スポーツボランティア、日常生活における身体活動、生活習慣・健康 他
調査対象
全国の市区町村に居住する満18歳以上の男女3,000人(男性: 1,503人、女性1,497人)
地点数
300地点(大都市90地点、人口10万人以上の市122地点、人口10万人未満の市64地点、町村24地点)
調査時期
2022年6月10日~7月10日

参考:住民基本台帳人口(人)
基準年月1997.31999.32001.32003.32005.3
20歳以上総計97,845,74299,426,665100,649,429101,730,947102,636,961
20歳以上男性47,463,67248,219,45248,781,48549,274,80549,670,810
20歳以上女性50,382,07051,207,21351,867,94452,456,14252,966,151
基準年月2007.32009.32011.32013.32015.1
20歳以上総計103,387,474103,824,522103,973,831103,811,681103,888,078
20歳以上男性50,011,43450,196,85650,236,39750,128,14050,169,418
20歳以上女性53,376,04053,627,66653,737,43453,683,54153,718,660
基準年月2017.12019.12021.1
20歳以上総計103,708,284103,424,756103,133,291
20歳以上男性50,077,55449,933,97649,794,107
20歳以上女性53,630,73053,490,78053,339,184

資料:総務省統計局ウェブサイト(住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯調査数)

過去の調査

データの使用申請

最新の調査をはじめ、過去のスポーツライフ・データのローデータ(クロス集計結果を含む)を提供しています。

活用例

  1. 政策立案:所属自治体と全国の比較や調査設計に活用(年齢や性別、地域ごとの特徴を把握)
  2. 研究:研究の導入部分の資料や仮説を立てる際に活用(現状の把握、問題提起、仮説、序論)
  3. ビジネス:商品企画や営業の場面で活用(市場調査、データの裏付け、潜在的なニーズの発見)
テーマ

スポーツライフ・データ

キーワード
年度

2022年度

担当研究者