イギリスの文化・メディア・スポーツ省は、2023年8月に「Get Active: a strategy for the future of sport and physical activity」(以下、Get Active)を公表しました。本稿では、Get Activeで子どもを対象とする施策の基礎データとして引用されている「Active Lives Children and Young People Survey」(アクティブライブス子ども・青少年調査)を概説します。
2019年、イギリス政府は健康政策に関する最高顧問である主席医務官らによる身体活動に関するガイドライン「UK Chief Medical Officers’ Physical Activity Guideline」(以下、身体活動ガイドライン)を公表しました。身体活動ガイドラインでは、1歳未満の乳児(Infants, less than 1 year)から高齢者(65歳以上)まで6つの年齢区分を設け、年齢層に応じた身体活動およびスポーツ実施を推奨し、このうち子ども・青少年(5~18歳)については、毎日60分以上の中強度から高強度の身体活動・スポーツを推奨値として示しています。
2022-2023年度の調査は、教育省「The School Census」(学校センサス)の結果を参照し、公立および私立の全小・中学校2万4,360校のうち、各地域行政区にある公立の小学校・中学校からそれぞれ最大10校ずつ、小学校は3,070校、中学校は2,394校に加え、イングランド全域にある私立学校から370校を抽出した合計5,834校を対象としています(表2)。このうち、公立小学校から923校(26%)、公立中学校から787校(31%)、私立学校から31校(8%)の回答を得ています。
表2 学校種別調査対象校数と回答校数
学校種別
調査対象校
回答校数(予備含む)
回答校割合
公立小学校
3,070校 (予備:489校) 合計:3,559校
923校
26%
公立中学校
2,394校 (予備136校) 合計:2,530校
787校
31%
私立学校
370校 (予備:1校)
合計:371校
31校
8%
スポーツ・イングランド「Active Lives Children and Young People Survey Academic Year 2022-23 (Year 6) Technical Report」 (2023)より作成
Get Activeにおいて、子どもに関する取り組みが主要な施策として明確に定められており、子どもへのアプローチは国家のスポーツ戦略に欠かせない要素のひとつです。そして、取り組みの評価方法としてスポーツ・イングランドが実施するアクティブライブス子ども・青少年調査の結果が活用され、基準値と目標値、そしてモニタリングする指標が明確に設定されており、事業を評価する体制が整っています。このように国家のスポーツ戦略を策定するにあたり、モニタリング指標、評価指標をあわせて設定し、そのデータを公開することが重要です。