第3回「誰が子どものスポーツをささえるのか?」セミナーの登壇者である中桐氏が2024年4月に小中学生の野球チームが集う組織「ジュニア・エンジョイ・ベースボール・コミュニティ」(JEBC)を立ち上げた。今回は立ち上げメンバーである3名に設立の経緯やこれまでの活動、今後の展望をはじめ、学童野球の課題や理想的な保護者の関わり方について語っていただきました。
座談会の詳細は、「報告書:2023-2024シリーズセミナー 誰が子どものスポーツをささえるのか?」にまとめております。
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Mission&Visionの達成に向けさまざまな研究調査活動を行います。客観的な分析・研究に基づく実現性のある政策提言につなげています。
自治体・スポーツ組織・企業・教育機関等と連携し、スポーツ推進計画の策定やスポーツ振興、地域課題の解決につながる取り組みを共同で実践しています。
「スポーツ・フォー・オール」の理念を共有する国際機関や日本国外の組織との連携、国際会議での研究成果の発表などを行います。また、諸外国のスポーツ政策の比較、研究、情報収集に積極的に取り組んでいます。
日本のスポーツ政策についての論考、部活動やこどもの運動実施率などのスポーツ界の諸問題に関するコラム、スポーツ史に残る貴重な証言など、様々な読み物コンテンツを作成し、スポーツの果たすべき役割を考察しています。
第3回「誰が子どものスポーツをささえるのか?」セミナーの登壇者である中桐氏が2024年4月に小中学生の野球チームが集う組織「ジュニア・エンジョイ・ベースボール・コミュニティ」(JEBC)を立ち上げた。今回は立ち上げメンバーである3名に設立の経緯やこれまでの活動、今後の展望をはじめ、学童野球の課題や理想的な保護者の関わり方について語っていただきました。
座談会の詳細は、「報告書:2023-2024シリーズセミナー 誰が子どものスポーツをささえるのか?」にまとめております。
▲【令和の学童野球はコレ】少年野球の課題解決を目指すコミュニティ~座談会フルver.~
▲【見逃すな!】新時代の学童野球チームコミュニティを目指して~座談会ダイジェストver.~
▲学童野球オワコン説、ガチで訂正したい件。勝利至上主義の壁、越えてきた元野球少年たちの話~スピンアウト版~
中桐 悟氏
中桐氏 東京練馬区で学童野球クラブ練馬アークスジュニアベースボールクラブ代表の中桐です。チーム代表の立場ですが、実はほとんど野球経験がありません。そのため、外部のリソースを使ってチームをコーディネートし、保護者の負担を少なくすることによって、みんなで楽しく野球をしてもらうコンセプトでチームを運営しています。よろしくお願いします。
島本氏 さいたまインディペンデンツ(現:リガーレSAITAMAベースボールクラブ)の島本です。僕自身も中桐さんと一緒で、サッカーをずっとやってきました。野球は父親がやっていたのでキャッチボール程度を小学生の頃にやって、それからはずっとサッカーをやっていました。仕事で12、3年間 野球メディアのプロデュースをしていたので、その縁で野球の世界に飛び込みました。たまたま小学生の子どもができて、野球を小さい頃にやらせたいこともあり、2012年にチームを立ち上げ、今に至ります。
齊藤氏 私はポジティブベースボールクラブRの齊藤と申します。私は小学3年生から野球をずっとやってきて、今指導者としてチームに関わっています。このチームは2022年に立ち上げて、今年で3年目ですね。
子どもたちと仲良く楽しく野球をやるコンセプトで学童野球を運営しております。
齊藤 宗章 氏
齊藤氏 島本さんのチームはラクビーとかサッカーとかいろんなスポーツをやられていますよね。
島本氏 もっと野球やれよって?(笑)
齊藤氏 すごいなぁって思って。いいですよね。ホームページを見てもコーチたちが下投げで投げて、子ども達が思いっきりかっ飛ばして。本当に楽しそうですもんね。
島本氏 だいぶ緩いですよね。
齊藤氏 もっと野球を本格的にやりたい子もいますか。
島本氏 やはり本格的にやりたい子もいますね。初心者と本格的にやりたい子のバランスをとるのは難しいです。
齊藤氏 でも大事ですよね。
島本 隆史氏
島本氏 ただ、初心者の子は入りやすいですよね。最近実際に初心者の子が何人か入ってくれました。上手くなってくると、もっとやりたいって。それが理想ですよね。
齊藤氏 家で練習して、試合して、活躍して、うまくいかなかったらまた練習して。モチベーション作りの面ではいいなぁって思って。
中桐氏 もっとやりたい子のニーズにも応えられますよね。指導者がすごいから。
齊藤氏 豪華すぎる。
中桐氏 超豪華講師陣なので、どこかの予備校みたいなのができちゃう。
カリスマコーチばっかりなので(笑)
島本氏 ありがたいですよね。
中桐氏 あれは、全国の学童チームでは比類なきものがありますよね。
齊藤氏 本当にそうですね。PCGリーグで何度か試合をやらせてもらった時、みんなユニフォームじゃなくて、スマートに野球やるから。新しい。
中桐氏 ハーフパンツ。
島本氏 でも最近は試合ではユニフォームを着ています。
齊藤氏 それもいいですよね。
島本氏 最近締まりがなさすぎで。ちょっと変えました(笑)
島本氏 中桐さんのチームで一番いいなと思うのは、子ども達がほどよく熱量を高くしつつ楽しんでいるバランスが最高だなと思います。
齊藤氏 クラス分けされていますよね?
中桐氏 はい。
齊藤氏 そこで上を目指している子たちがいるから、いいですよね。
島本氏 しっかりと子どもそれぞれのニーズにマッチしたチーム作りをしている。
齊藤氏 申告制でしたっけ?テスト制?「自分を見て」という時間がある?
中桐氏 最終的には「テストを受けてみる?」というケースが多いですけれどね。
齊藤氏 中桐さんが声をかける?
中桐氏 私なりコーチから「そろそろいいんじゃない」という感じで。
島本氏 そして何か試験を?
中桐氏 そう。決まった試験内容があって、それをクリアしたら上に上がれる仕組みにしています。ある程度年功序列感はあるのですけどね。
齊藤氏 クラスというかカテゴリーで5、6年生がその対象ですか?トップクラスは?
中桐氏 ベースはそうです。ただ、4年生でも上手い子は上がってきますので。実際に今でも4年生が何人か上がっております。
島本氏 そうですか。
齊藤氏 いいですよね。クラス分けはポジティブベースボールクラブRでも参考にさせていただきながら取り入れていきたいなと思っているところです。みんな子ども達が上手いのね。
島本氏 上手い。上手くなっている。
齊藤氏 試合でゲッツーとか。
中桐氏 そうそう、はじめて試合でゲッツーがとれました。きれいにいきました。
齊藤氏 サードの子がバックハンドで取ったり、走りながら片手でサードからパスを投げたりして。それは教えているのですか?
中桐氏 教えていません。勝手にできるようになりました。駄目とは言っていないですよね。
ランニングとか、たまにバックハンドを教えると、正面でもバックハンドに入ろうとする子がいるのです。正面に入れと基本は言っていますが、バックハンドにトライしたことに対してはあんまり否定的なことは言ってない。
齊藤氏 なかなかすごい。ゲッツーなどなかなか見たことがない。やっぱり面白かったな。
中桐氏 3年ちょっとやって思ったのは、「これやっちゃダメ」、「あれってダメ」って言わなかったからみんな勝手に上手くなりました。
島本氏 そこが答えですよね。
ポジティブベースボールクラブR
中桐氏 ポジティブベースボールクラブRは、チームの雰囲気がとにかくすごくいいですよね。保護者も含めてファミリー感がすごくあるの。ファミリー感がうちのチームにはないので。
島本氏 地域柄だと思う。
中桐氏 一体感の醸成はどうしているのですか。
齊藤氏 一体感ね。うちのチームは野球だけではないので。都市対抗野球を見に行ったり、都市対抗の後に遊園地に遊びに行ったり、アスレチックにみんなで遊び行ったり。そうした場に保護者さんもついていらっしゃるので、自然に保護者さん同士が仲良くなって。他と少し異なるのはそういうところですかね。
島本氏 僕の友人がアスレチックに遊びに行ったときに、コーチを見かけたとLINEをもらいました(笑)
齊藤氏 企画しながら、もっと野球をやりたかったのではと思うのですが。
島本氏 お子さんも保護者さんも楽しんでいる。保護者さんはそういう時も来るのですか?
齊藤氏 来る。送迎だけで十分でお子さんだけ来ればいいのですが、保護者も一緒になって来てくれます。そういうところできっと一体感が生まれるのかなと思います。
中桐氏 すごく雰囲気がいいですよね。元気がない時がない。
島本氏 あのワチャワチャした感じが好きだな(笑)
学童野球クラブ練馬アークスジュニアベースボールクラブ
中桐氏 最初、野球をやる子が少なくなっていることにすごく危機感を持っていました。
このままでは野球界全体が完全にシュリンクしていくなと思い、どうするべきかを考えていた時、島本さん、斉藤さんはじめ、私のチームと同じような考え方のチーム運営者が全国にいらっしゃることを知りました。そして北海道から沖縄まで、最近本当に増えています。
2020年以降ぐらいにそういう新しいチームがポンポンできて、全国各地で散発的にいい動きが出ていました。しかし全く組織化されていませんでした。いい取り組みなので、みんなで集まったらもっといいものができると思い、コミュニティという形で、お互いを刺激し合い、高め合いながらいいものをきちんと発信していこうといったコンセプトのもと、取り組みを始めました。
島本氏 中桐さんがコミュニティを立ち上げてみないかって声をかけてくれた時、僕自身も野球のメディアの仕事をしていたので、情報を共有する大切さを感じていましたし、逆に情報が共有されていないことにより損をしているチームや人を見てきたので、横のつながりを作っていきたいとチームを立ち上げた時に感じていました。アークスさん、ポジティブさんと練習試合をしていく中で、PCG(プレイヤーズ・センタード・ゲームズ)の試合をしていく中で、よりそういった気持ちが大きくなり、そのタイミングでコミュニティを立ち上げる話をいただいたのがきっかけですね。
齊藤氏 やっぱりPCGリーグで皆さんと交流があったから、みんなでこういうのをやってみようという話もでてきましたし、連盟とかスポ少に入っていないチーム同士だったので、何か後ろ盾がほしいよねという思いもあって始めました。
中桐氏 日本国内の軟式野球、学童の小学生の野球チームってだいたい全日本軟式野球連盟、スポーツ少年団のどちらかの組織に属しているチームが多いです。我々みたいに連盟組織に属さないでチームを運営していこうという考えのチームが全国にでき始めたので、新しい取り組みを広げていくためにコミュニティを立ち上げました。
さいたまインディペンデンツ(現:リガーレSAITAMAベースボールクラブ)
島本氏 まさに選択肢のひとつですよね。旧来型のチームに入るも良いと思いますし、そうじゃないチームの受け皿が日本には少ないと僕自身も感じているので、選択肢を作っていくことが子どもたちの将来につながるのではないかなって思っています。
中桐氏 選択肢を広げてあげれば、少子化の流れで野球人口は絶対減りますが、少しでも食い止められるのではないかと思います。
あとは、連盟組織に所属していないので、純粋に寂しかったです。既存の組織に所属しているチームに、「練習試合しましょう」と言うのは迷惑ではという思いがあり、積極的に交流できませんでした。それでも全国で散発的に連盟に所属してないチームがいることは認識していたので、寂しいから仲間を集めたいなっていうところからおふたりにお声掛けさせていただいたのが最初の経緯ですね。島本さんを完全に担ぎました。
島本氏 担がれましたね(笑)
中桐氏 島本さんはプロなので。メディア戦略から各所とのつながりもお持ちなので、その力も使わせていただきたいなと。完全に担がせてもらいました。
齊藤氏 心強かった。
中桐氏 私ひとりではどうしようもないので。
島本氏 中桐さんの「ちょっと一緒にやろうよ」っていう熱さに、「やろうか」っていう感じでしたよね。
中桐氏 世の中に野球をやる子が減っているのを危惧している人はいっぱいいるはずですが、アクションをしている人は少ないです。アクションはしているけど一枚岩になっていないので、このままでは野球が絶滅してしまうと思ってしまって。絶滅していくのがわかっているのに、ぼーっと見ているのはちょっと嫌だったので。
齊藤氏 サッカーとかバスケは組織がピラミッドのようにしっかりされているから。やっぱり野球はどうしてもルールが違ったりボールが違ったりするので、いろんなカテゴリーを超えたコミュニティがあればいいかもね。
島本氏 つながっているようでつながっていないというのは、特に学童少年野球で感じていました。もったいないなというのは、僕もサッカー側から見たときに感じたことでもあったので。
サッカーもいい面も悪い面もあるけど、国内のプロ野球が盛り上がっているのに、どうして組織がバラバラなのだろうというのは、僕も感じていました。一番大事な小学生の年代に、大人の都合でいろいろなしがらみがあるのは本当にかわいそうだなと純粋に思いました。どうにかできないかなって感じたので。まさに中桐さんが言うとおり、アクションをしないと意味がないなって。このコミュニティもそうですし。
齊藤氏 学童野球は野球人口の入り口ですからね。その入り口に選択肢をいっぱい増やして野球を始めやすい環境を作ってあげられれば。
島本氏 日本は野球が好きな人が多いですよね。本当にそう思います。いろんな人と会うとみんな野球が好きだから。本当にそこのポテンシャルがあると思いますけどね。それが良い方向にいっていなかったっていうところが、多分、実施人口に現れているのではないでしょうか。
中桐氏 チームの立ち上げや、野球を始めるハードルをもっと低くしてあげたいと思います。チームを立ち上げるというと大事に思われますが、ホームページとユニフォームを作ったら一丁上がりなので。5人くらい集まったらチーム作っちゃえばいい。
そしてJEBCに加入してもらって。そういうふうにしたら、もっと盛り上がっていくのではないかなという思いもあります。
中桐氏 私が考えている少年野球の大きな課題の一つは、指導者の問題です。全てのチームに当てはまるわけではないですが、ボランティアで地域の野球好きのおじちゃんみたいな人が教えてくれて、いい指導者に当たるかどうかは平易な言葉でいうと「指導者ガチャ」なのですよね。
土日をボランティアで少年野球の指導に費やしているので、すごく殊勝な方だと思いますが、質が平準化されてない。名乗ってしまえば少年野球の監督と名乗れる面で、私は自分自身がいい思いをしていません。
真っ当な指導者から論理的に野球を教えてもらえることは当たり前ではなく、教えてもらえない環境もあることが課題のひとつかなと思います。
島本氏 あとは練習時間の長さも課題かなと思っています。僕自身も親なので、土日は何かスポーツを子どもにさせたい一方で、家族の時間も優先したいので、バランス問題はあるのではないかなと思います。1日中練習があるチームだと難しいなって親目線でも感じます。
齊藤氏 うちも共働きだけど、土日どちらも野球だと親もどこにも行けないし休めない。そういう負担もありますよね。
中桐氏 本当に9時から5時まで活動しているチームもいまだに多いですからね。
島本氏 実質的な練習密度はどれぐらいなのですかね。
中桐氏 野球の練習って基本的に効率が悪いですよね。待っている時間が長いので。シートノックしたらライトはとりあえず回ってきませんから。
齊藤氏 中桐さんのところは、練習時間はどのくらいですか。
中桐氏 最大4時間です。
島本氏 うちは3時間から4時間。長くて4時間。
齊藤氏 ?うちも4時間だ。サッカー界は?
島本氏 大体2時間。
中桐氏 ずっと走っていますもんね。
齊藤氏 午前中試合で負けたから、午後は練習ということはないですか?
島本氏 中にはそういうチームもありますが、2時間から長くて3時間ですかね。
齊藤氏 私も学童野球のイメージだと午前中に野球の試合をやって、負けるとじゃあホームグラウンドに戻って練習だと。
中桐氏 ひととおり説教されて(苦笑)
齊藤氏 あと学童野球はトーナメント制も課題ですよね。先ほど中桐さんがおっしゃったけれど、トーナメントだと上手い子ばかりが試合に出る。上手い子ばかり投げて、キャッチャーをやると、今度は肘を壊してしまう。そういう面ではうちは肘検診とかも年に1回は導入しています。中桐さんのところもやっていますよね?
中桐氏 そうですね。うちも肘検診を年一回やっていますね。
齊藤氏 土日4時間の練習でも、学校でドッジボールをやったりもするので、肘健診で「ちょっと投げすぎかもね」と言われます。上手く投げられるから、ドッジボールでも目立つらしくて、先生が「ドッジボールを思いっきり投げないでね」って6年生に言いました。ドッジボールも球数に入れるから申告するように言ったことがあります。
島本氏 投げるのは一緒ですものね。
齊藤氏 「監督、1週間にどれだけ投げてきたから今日は70球のところを50球にしてください」って子どもから言えるようになれば、肘も守られて次のカテゴリーにも繋げていけるかなと思いますので。
中桐氏 うちも週1回4時間だったら肘検診に引っかからないと思っていた。絶対大丈夫だって。念のため検診をやるっていったらやっぱり何人かはちょっと怪しかった。これじゃ土日に朝から晩まで練習をやったらみんな肘が壊れるだろうなって。
島本氏 実際に肘が壊れている子どもがいますからね。
齊藤氏 そうすると次につながらないから、大事にしていけるといいかなと思います。
中桐氏 現在1チームあたりの人数が少子化で減ってきているので、余計にそうなりますよね。ピッチャーをやってからキャッチャーもやって、キャッチャーをやってからピッチャーもやるとか、ずっと投げている。その結果、上手い子から潰れていくのですよね。
齊藤氏 試合に勝ったから午後にもう1試合とかね。
島本氏 3年生が6年生の試合とか、2年生が6年生の試合に補充されて。体力的にはキツイですよね。
中桐氏 可哀そうですよね。
島本氏 やっぱり大人が守っていく環境を作っていかないと。子どもはやりたいし、やっちゃいますからね。
中桐氏 これまでの活動の紹介として、コミュニティのチームで集まって野球教室を開催しました。島本さんのご紹介で、社会人野球、プロ野球で実績を積まれているコーチに来ていただいて、みんなで集まって楽しく野球教室をする取り組みの初回を東京でやりました。これを全国に広めていきたいです。
島本氏 あれはいい雰囲気ですよね。
中桐氏 すごく良かったです。やっぱりプロで活躍をした人が来てくれると、子どもも親もみんなキラキラしていた。
島本氏 あとは勉強会をやりました。スポーツと勉強を両立することは僕らも大事にしています。今後も勉強会やセミナーなどを通じて野球以外のことを学べる機会をつくっていきたいと話しています。
オンラインですが、東大出身の野球経験者を講師に呼んで、その方は塾の経営者でもあるので、勉強の習慣づくりについて語ってもらいました。熱心な親御さんが4、5位参加してくださったので、反響はあったと思いますね。
齊藤氏 オンラインで全体ミーティングもやりました。各地域の課題とか、チームの課題をどうしたらいいかをご質問いただいたり発信させていただいたりして。
島本氏 エリアが違うからこその悩みの違いも見えて良かったですよね。
中桐氏 違う面もあれば、一緒の悩みも共有できたりして、それに対してみんなで解決策を話せて、すごく有意義でした。
島本氏 繋がりがあるチームから声をかけましたよね。
齊藤氏 周りから。
中桐氏 最初はそこからですね。
齊藤氏 その後は中桐さんが支援した北海道のチームもありますよね。
中桐氏 そうですね。コミュニティの活動のひとつとしてチームの立ち上げ支援とか、既存チームの変革支援をやっているので、それでご連絡頂いてチームの立ち上げを支援したところはコミュニティにご加入いただいており、北海道のほか、埼玉もあります。あとは横のつながりで入っていただいた感じです。
齊藤氏 ホームページを見て。
中桐氏 そうですね。
島本氏 最近は全然知らない繋がりがないところから入っていただいていますからね。
齊藤氏 認知が上がってきたから。
中桐氏 全国にだいたい学童のチームが1万チーム以上あると言われているので、まだまだですね。もっと増やして。
齊藤氏 目標100チーム。
中桐氏 短期的に100チームにはしてみたいですね。
中桐氏 もとは2020年に神奈川を基点にした学童野球の私立のリーグ戦の「PCG(プレーヤーズ・センタード・ゲームズ)」という組織です。この組織は非常に先進的なレギュレーションで運営されていて、勝敗だけじゃなくて、ポイント制を導入しています。全員出場したら1ポイント。キャッチャーを2人以上変えたら1ポイント。ピッチャーを2人以上変えたら1ポイントといったポイント制になっていて、勝敗をポイントで競うコンセプトでやられているリーグ戦です。主役は子ども達で、勝敗よりも子ども達の成長をいかに促すかに主眼に置いたリーグ組織です。今回PCGさんからご相談頂いて、2025年度から私たちで引き継がせていただいて、コンセプトはそのままに名称変更して、リニューアルした形で全国拡大に向けて始める予定です。12月1日から加盟チームを募集していますが、これまでは神奈川、埼玉、東京の首都圏だけでしたが、静岡、兵庫、栃木まで広がってきているので、さらに全国に広げていきたいなと思っています。今加盟チーム大募集中です。
島本氏 ルールをチーム同士で相談できるのも良いですよね。
齊藤氏 野球を始めたばかりの子は、コーチが投げても、下投げでもいいよとか。保護者さんも結局ベンチにいる子どもより試合に出ている子どもがいいので、そういう機会を与えられる意味でPCGは良かったです。
中桐氏 やっぱり試合を通じて成長する側面ってものすごく大きいですよね。試合の中でも、1回の表と6回の裏ではもう別人みたいなことが実際にあるじゃないですか。
齊藤氏 そう。
中桐氏 やっぱり試合に出てナンボですから。ベンチに座っているだけっていうのはね。そういう意味では、PCGの枠組みはすごく良いです。リーグ戦というところが1番いいですよね。トーナメント戦だと負けたら終わりで、負けられない戦いがずっと続いてしまう。そうすると、9人がベストメンバーだったら、監督は絶対にそのままいきたくなる。
齊藤氏 エゴが出ますね。
中桐氏 しかも、1対0の試合だったら、絶対に監督は変えられない。
島本氏 勝ちたくなっちゃう。
中桐氏 トーナメント戦だったらそうなっちゃう。10対0で勝っていたら、「じゃあ控えの子も出るかい?」というのもあると思いますが、1対0の試合だったら9人のベストメンバーで替えられないですよね。
齊藤氏 野球をやっている人は余計そうですよね。雰囲気とか流れを読んでなかなか替えられないな。
島本氏 リーグ戦は負けても次がまたすぐにあるし、別に負けてもいいわけではないですが、その試合に全てを投入しなくてもいいので、基本的には全員出ましょうっていうレギュレーションなので。特に小学生はそっちの方がいいような気がします。
齊藤氏 そう思います。
中桐氏 チームとしての成果より、子ども達の成長っていう面では。
齊藤氏・島本氏 うん。
島本氏 経験ですからね。打った経験、捕った経験、投げた経験。そこが特に少年野球チームだと経験数が少なくなるのではないかなと感じますよね。
中桐氏 私は野球というスポーツは、走る、投げる、捕る、打つといった多様な身体の動きが求められる複雑なスポーツだと思います。他にはないなと思うのです。
島本氏 ないです。
齊藤氏 しかも道具で打ちますからね。
中桐氏 道具を使いこなさなければならない。そのため小さいうちから野球をやるっていうのは、子どもにとってはすごく有意義だと思うのです。ただ野球界がそういうことを多分全然発信できていない。
齊藤氏 もったいないですよね。
中桐氏 そうですよね。「どうせ下手だったらずっとベンチに座っているでしょ」みたいなことを言われちゃうと、「まあそういうこともある。トーナメント制だし」みたいな。それでいいのかなって思います。じゃあ、サッカーをやらせようかな、バスケをやらせようかなってなりますよね。
中桐氏 対戦相手のマッチングはプラットフォームを入れて、試合のマッチメイクをしやすいようにしています。具体的には、PCGの場合はエクセルみたいなもので、マッチングの管理をしていましたが、専用の仕組みを入れて、カレンダー上にどこかのチームがグラウンドをとって、この日に対戦相手を募集しますって入力すると、「募集中」とカレンダー上に表示され、そこにIDとパスワードを入れてログインすると、「対戦したいです」ってオンライン上で応募ができるようになりました。全国のどこで試合が行われているのか、何月何日はどこで試合が行われるのか、カレンダーを見ればわかるようにしました。
齊藤氏 それはいいですね。
島本氏 そうすると他の地域のことも見られるわけですね。
中桐氏 はい。全国見られるように。
島本氏 例えばあの地域が試合数すごく多いなといったことを別の地域からも見える。刺激になりますよね。
中桐氏 全国版の順位表も載せますし。
齊藤氏 例えば静岡のチームが募集をしていたら、その日に静岡に遠征に行くからと予定も組めるわけか。
中桐氏 やろうと思えばできます。都道府県の枠を越えての対戦も可能なので。
齊藤氏 PCGから引き継いだルールでね。
中桐氏 はい。結局リーグ戦ですが、総当たりじゃないので、好きな時に好きなチームと組めるのはすごくフレキシブルなものです。ルールもマッチメイクもフレキシブルなので。
島本氏 運営も管理しやすくていいですよね。
中桐氏 そうなのですよ。
島本氏 やっぱりそこの苦労もあるじゃないですか。
齊藤氏 ありますね。
中桐氏 できるだけ負荷を減らせるようにしてね。
島本氏 運営の見えない負荷がチームをやる上で、すごくあるなって思うので、システムで解決できるのはすごいですよね。
中桐氏 学童野球界っていまだにアナログなので。
島本氏 どうしてなのですかね。
齊藤氏 いいチームが本当にたくさんあるのに、ホームページがなかったりしません?
中桐氏 ホームページがなかったりしますよね。たぶん、やるインセンティブがないですよね。学校でビラを配ればいいっていう世界だと思うので。ホームページで外向けにお客さんを集めてこようといった概念ではないので。
齊藤氏 今までそれで集まっていたところがあるからね。
中桐氏 そうなのですよね。
齊藤氏 うちはホームページにも記載されていますが、保護者の当番制なし、父母会設立禁止です。中桐さんのチームを見学した時に、中桐さんともいろいろお話を伺ってうちも理念としています。
こ先ほどで出た学童野球を始める上で大事な選択肢のひとつになってくると思います。保護者のお手伝いが必要な場面も多々ありますが、それを極力私たち運営陣、指導陣で賄っていく、補っていくサポートの仕方をしています。島本さんのところもそうでしたよね。
島本氏 そうですね。うちも父母会、当番はなし。低学年の子もいるので送迎くらいですね。
あとは任意で練習の球拾いといったお手伝いを自主的にやっていただいている方は何名かいます。
齊藤氏 私もクラブの練習はコーチ陣に任せて、保護者目線でグラウンドを見ていたことがあるのです。グローブを持って野球しているとグラウンドに出たくなっちゃう、何かしたくなっちゃうのですよね。お手伝いをしてくれる方に対しては、何も言わずやってもらいます。隣のグラウンドで大人が野球をやっていることもあるので、そちらにボールが行かないように保護者さんが自主的に立ってくれています。基本当番制を設けなくてもサポートしてくれるし、保護者さんたちが見守っている率が、他のクラブ・チームに比べて多いかなと思います。中桐さんのチームはどうですか。
中桐氏 うちは一部の保護者さんが一緒に練習に参加しています。見ていらっしゃる保護者さんもいらっしゃいますけど、普段は数名参加されて数名見ているくらいの感じです。
齊藤氏 ボール拾いっていうかグローブ持って。
中桐氏 そうですね。グローブを持って一緒に入るっていうイメージですね。うちの場合はお手伝いじゃなくて一緒に参加するという定義にしていて、教えるのはあくまでコーチです。
齊藤氏 指導、コーチはできないけどサポートしてくれて。
中桐氏 そうですね、教え方がブレてしまうのは心配なので。そこだけは気を遣っていますね。
島本氏 保護者から他の子へのお声掛けみたいなのはすごく助かっています。盛り上げや雰囲気づくりを結構積極的にしてくれる方々が多いです。自分の子以上に他の子のプレーを褒めてくれているので、ああいうのはいいなと。自分の子を褒めるのは普通だと思うのですが、他の子にも接触、アプローチして自然に会話、コミュニケーションをとる雰囲気づくりはすごく助かっています。
齊藤氏 助かっている部分では1、2年生の練習と3、4年生の練習、5、6年生の練習と、練習を分けているのですが、1、2年生の練習には人数が必要な時もあるので助かりますよね、サポートコーチのようなかたちで。
父母会とか当番はもちろんありませんが、「コーチをやりたいです」と言われたら、野球の経験の有無に関わらず、資格の勉強をして取得してもらっています。
中桐さんのところは一切保護者のコーチはいない?
中桐氏 うちの場合は保護者の負担は0ですってはっきり言っているので、そこは明確に線を引いていますね。お子さんが卒業されたら、ぜひって。
齊藤氏 来てもいいよって?
中桐氏 お子さんがいなかったら、普通にコーチとして。謝礼をお支払いしているので。
齊藤氏 なるほど。
中桐氏 それで残ってくれたら相当いいのですけどね。子ども達が大学生くらいになったら「バイトで使ってください」って言ってくるのを期待したい。
齊藤氏 その仕組みですよね。
中桐氏 それを早く実現したい。最低限高校野球くらいまでやってもらって。
齊藤氏 教えに帰ってくるという。
島本氏 OBが帰ってくる。
中桐氏 そうしたら、これでずっと人材が回っていく。
齊藤氏 素晴らしいよね。そこまで続けていくっていうのもあるけど。
中桐氏 JEBCとしての保護者との関わりは決めていないですよね。
島本氏 決まりはないですよね。各チームのスタンスはあると思うので、そこを尊重していきたいっていうのがベースにあります。
中桐氏 正解はないと思うのですよね。
島本氏 ただ、親御さんの負担が増えることに関しては、どうなのっていうのはある。
齊藤氏 そうですね。ありすぎても良くないし、JEBCとして保護者の勉強会はいいと思います。保護者さん向けのコンテンツの配信とか。学童期はこういうふうに見守ろうとか。
島本氏 保護者の関わり方っていうのも課題なのかなって思いますよね。教わらないですしね。
齊藤氏 自分はLINEで定期的に配信している。
中桐氏 僕にも配信してください(笑)。
齊藤氏 こうやって見守ろうねっていうのを配信しています。
中桐氏 それ見たいな。
島本氏 自筆で書いているの??
齊藤氏 違います(笑)。年1回あるコーチ研修で見た研修動画があって、アイスホッケーの動画なのですけど、試合から帰ってきて子どもに親がボロクソに車の中で叱る内容。それを設立当初、まだ10人ぐらいの時に1回配信しました。今53名になりましたが、改めて先週送りました。まだ見たことがない人もいるから。「すいません、私のことを言われているみたいです。」とか相当反響がありました。
私は保護者個人に直接LINEをやっているので、チームのグループLINEは作っていません。それは保護者さん同士のコミュニティを避ける為にも。ポジティブの公式LINEはあるのですけが、無課金だから制限があります。そのため60名くらいの保護者さんに個人的にひとつずつ転送して送っているのです。10人くらいから反応が返ってきましたね、「勉強になります」って。
確かに私もそうだったけど、子どもに「今日どうして試合で打たなかったの」とか攻めちゃいます。動画内にもある部分なので、いい機会になったなって思います。
JEBCとしてもそういうものを配信して各チームに転送してもらうのもいいかもしれないなって思いましたね。
中桐氏 子どもと保護者の適切な関わり方、距離感みたいなものって言語化することが極めて難しいのですが、すごく適切な距離感でやっているご家庭のお子さんは、野球が上手くなるスピードが速い。これは間違いなくそうです。もちろん小学生なので全員うまくなりますが。
下手になる子はいないですし、元々持っている身体的な能力ももちろんあるとは思いますが、成長曲線がギューッと伸びていく子は保護者さんの関わり方が適切。適切っていうのを言語化することは本当に難しいのですが、見ていて適切だなって思います。
齊藤氏 へぇ、どういう部分で?中桐さんから見て。
中桐氏 私から見て「いい言い過ぎるでもなく無関心でもない」っていう程よい感じ。
そのご家庭をずっと張りついて見ているわけではないので想像が含まれていますけど、多分お子さんにボールを投げてって言ったら、ボールは投げるけど、「肩が下がっている」とか「肘が上がっている」とか指導はしてない。子どもが自分で勝手に色々考えて上手くなって、自分の考えたことをチームで確認して、「お父さん、今日コーチにこんなことを言われたよ」と話して、親と一緒に考えるみたいな。そういう関わりができているのが理想的なんじゃないかなと思うのですよね。
中桐氏 先進的なチームが全国に広がりつつあるので、そういう人たちと協働し、しっかり取り込ませてもらって、どんどん活動の輪を広げていって、学童野球を少しでも持続可能なものにできるように、微力ながら尽力していきたいなと思っています。
そのために、他の団体さんがやっていないような新しい施策を打ち出して、いろんな取り組みができればいいなと思っています。
齊藤氏 その中のひとつが、JEBCの加盟チームで選抜チームを作って、オープン大会に参加ですね。元プロ野球選手としてヤクルトで活躍された荒木さんをヘッドコーチとしてお招きして、他のチームの子どもたちと一緒に野球をやることによって、新たなスキルを身につけてもらい、チームに帰って還元する取り組みもしたいです。将来的に埼玉選抜、東京選抜、神奈川選抜でどこかのグラウンドで一堂に会して、大会をするのも面白いかなと思います。それこそ2泊3日ぐらいで全国大会を開催してもいいかなって思いますよね。
島本氏 目線が上がりますよね。
やっぱり自分のチームだけだと、どうしても視野が狭くなっちゃうところを、他のチームは上手い子がいたり、特徴ある子とコミュニケーションをとったりして、交流がどんどん増えていけばいいですね。チーム同士が集まってキャンプをしたり、ワンデイ大会でJEBCカップをしたりするのもいいですね。集まって寝食を共にして、野球以外の交流も積極的にやっていけるといいですよね。
中桐氏 トーナメント戦だと全国大会までいかないと、全国のチームが一堂に会してみたいなことは出来ないから、来られるチームを招待するような形でできれば、別にトーナメント戦で勝ち上がらなくても全国のチームと一緒に交流できる。
私自身地方出身なのですけど、東京の子たちに地方の現状をちゃんと理解させたい。野球以外の側面でも「田舎ってこんなに不便なんだ」「電車が2時間に1本しか来ないじゃん。」そんなのも経験なので、十分やる価値ありますよね。どれだけ東京が恵まれているか東京の子たちに知ってもらいたい。
島本氏 逆もしかりですよね。
中桐氏 そういうのは子ども達にとって貴重な経験になると思います。そういう新しい取り組みをどんどんやっていきたいです。
中桐氏 今まで日本で根付いてきた野球っていうカルチャーが本当になくなるかもしれないのに、真剣に考えている人はどれだけいるだろうって思うのですよね。
子どもの数がこれからどんどん減っていくので、今変えなかったらいつ変えるのかという局面だと強く認識しています。そのため今もし変えた方がいいよねと思っている人が全国にいらっしゃることは確かなので、その一歩を一緒にやりませんかっていうのを言いたい。プロ野球から学童野球までありますけど、一番大事なのは学童野球ですよ。これ(底辺)が広がらなかったら、それ以降広がらないので良くないと思います。みんなに早く気づいてほしいです。
島本氏 環境や、やりたいっていう子に対して教え過ぎて野球を嫌いにさせてしまう機会がすごく多いと思うので、そういうことをどんどん変えていきたいなって思いますね。
齊藤氏 学童野球って勝ち続けなければいけないし、勝つことによって試合ができるという仕組みがまだある。JEBCが作ったリーグにぜひ参加してもらって、楽しく野球を始められる環境の中で、ひとりでも多く野球を始めてもらえれば、そういう活動になればいいかなって思いますね。野球は子どものためにあるのであって、決して大人のエゴでやるスポーツじゃないことをどんどん発信したいです。
中桐氏 うちのチームは、自分の頭で考えて自律的な行動ができて、それをチームという組織の中で、組織力を最大化できるような行動ができる子を育てたいと思ってやっています。子どもたちにも同じ言葉で伝えています。
個人競技であれば自分の頭で考えて、自分がどういう風になったらうまくなるか考えればいいですが、チームスポーツなので、それを考えた上でチームとしてどういうふうにやったらうまくいくかを考えましょうと。チームとしてどうするのがいいのか。そういう力を伸ばしてあげられるのは、野球という競技の特性上、もちろんあると思います。うちのチームはサインを出していません。サインを出さないで野球をするのは、実は難しいことに挑戦していると思うのですが、子どもなりに考えて試合運びをしてくれているので、そういう能力が少しずつ身についていると感じます。そういう子達を育てたいし、今後の社会で求められる人間はそういう人間なのだろうなって思っています。
島本氏 うちも中桐さんのチームと似ていますが、コミュニケーションができる人材に育ってほしいと思っています。どのスポーツでも一緒だと思いますが、野球もサッカーもラグビーもバスケも、やっぱりチームスポーツってコミュニケーション。自分がこうしたい、相手もこうしたいっていうのをすり合わせる作業だと思っていて、それが上手い子もいれば下手な子もいます。それでも何かしらこうコミュニケーションをしようとしている部分はあるので、そこをしっかりと大人が見てあげることが大事なんじゃないかなと。誰かが困っていたら助けてあげてミスをカバーすることにもつながっていくのではないかと思います。
チームスポーツを通してコミュニケーション力をいろんなシーンで学んでほしいですし、子どもにも感じてほしいなと思います。
齊藤氏 お二人がおっしゃったとおり、コミュニケーション力はもちろん学童野球で1番学んでほしいと思います。うちのチームは、1年生から6年生で54人いますが、学年で固まらないで、上の子たちが下の学年に降りてきて話してもらう場面もたくさんありますし、各学年でリーダーを決めてやっています。キャプテンも置いてないので、その日、その日で「キャプテンをやりたい人」って言って立候補させているのです。
なかなか手が挙がらない日もありますが、たまにはちょっとやってみたいという子もいるので、自分をアピールすることとか、年下の子たちに目線を下げて話してもらうような、そういう風にしていきたいという思いでは活動しています。