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論理的で実効あるスポーツ政策への道筋

〜2022年度行政事業レビューに見る8つの問題〜

熊谷 哲(SSFアドバイザリー・フェロー)

1.はじめに

 スポーツ庁が2021年度(令和3年度)に実施した事業の状況(行政事業レビューシート)が、昨秋公表された。例年であれば、所管部局による自己点検と公開プロセスが終了した6〜7月頃に中間公表された後に、外部有識者による点検(すべてのレビュー対象事業は少なくとも5年に一度を目途に外部有識者の点検を受ける)、各府省の官房長を統括責任者とする行政事業レビュー推進チームによる点検(いわゆるサマーレビュー、すべての事業が対象となる)を受け、翌年度の予算概算要求に点検結果を反映させてから最終公表へと至っていた。今年度は、シートの様式が変更されたことやロジックモデルの作成・公表等が追加されたことにより中間公表が省かれたため、すべてのレビューシートを確認できるのは9月上旬の最終公表まで待たねばならなかった。(行政事業レビュー及び公開プロセス等の概要ついては拙稿『スポーツ政策にこそ科学的検証を ~公開プロセスに見るポストスポーツ・フォー・トゥモローの問題~(2022年)』を参照されたい。)

 さて、最終公表されたレビューシートは、①令和3年度の事業に係るもの、②令和4年度から開始された事業に係るもの、③令和5年度予算概算要求において新規に要求する事業に係るもの、の3つに大別される。ここでは、第2期スポーツ基本計画の最終年であった2021年度(令和3年度)の取り組み内容や達成状況を俯瞰する意味で、令和3年度の事業実績に着目し考察したい。

 「令和3年度の事業に係る行政事業レビューシート」におけるスポーツ庁実施事業は、文部科学省の政策11「スポーツの振興」の下に位置づけられ、第2期スポーツ基本計画が掲げる4つの政策目標に符合するかたちで4つの施策(11-1〜11-4)に分類され、計46事業についてレビューシートが公表されている。この46事業から、新型コロナウイルスや東京2020に係る特別対策、日本スポーツ振興センター(JSC)交付金等の独立行政法人の運営費関連を除いた38事業について、行政事業レビュー推進チームによる点検結果を評価区分(評価は後段で示す5区分)ごとにまとめたものが表1である。

評価結果 政策1 政策2 政策3 政策4
廃止 0 0 0 0 0
抜本的な改善 1 1 0 1 3
一部改善 10 6 7 3 26
現状通り 3 0 0 0 3
終了予定 3 2 1 0 6
17 9 8 4 38

 分類した結果は、低調な執行率が指摘されている事業(多額の不要額、交付額の精査などを含む)が10件(26.3%)。契約の競争性・公平性・透明性の確保を指摘されている事業が5件(13.2%)。随意契約等に係るコスト削減や精査を指摘されている事業が2件(5.3%)。事業目的の明確化を指摘されている事業(目的の再検討を含む)が4件(10.5%)。成果指標の設定・目標の見直しを指摘されている事業が12件(31.6%)。事業の課題・効果・内容の検証を指摘されている事業(事業設計の見直しを含む)が5件(13.2%)となっている。

 全体の傾向としては、新型コロナウイルスの流行拡大の影響から、予定していた事業内容の中止や縮小を迫られたものが少なくなかったため、結果として低調な執行率を指摘された事業件数が相対的に多く見て取れる。また、EBPM(Evidence-Based Policy Making:エビデンスに基づいた政策形成)推進の観点からか、重要な要素である成果(アウトカム)に関する指標や目標のあり方についての指摘が最も多く見られる。

 一方で、個々のレビューシートの詳細を確認すると、時期的な傾向や単なる表記ミスとして受け流すことはできない、論理的整合性を欠いた本質的・構造的な問題も見え隠れする。そこで、以下の8点について実例を挙げて指摘し、さらなる事業改善を促したい。

所見コメント 政策1 政策2 政策3 政策4
低調な執行率 6 1 2 1 10 多額の不要額、
交付額の精査含む
契約の競争性・公平性・透明性の確保 2 2 1 5
随意契約等に係るコスト削減や精査 2 2
目的の明確化 1 2 1 4 事業目的の再検討含む
成果指標・目標の見直し 3 4 3 2 12
課題・効果・内容の検証 3 2 5 事業設計の見直し含む

2. 行政事業レビューから見えてくるスポーツ庁事業の問題

(1)事業の位置づけが誤っているもの

 そもそも事業とは、上位の政策目標及び施策目標を実現せしめる具体的な手立てとして取り組まれるものである。それにも関わらず、施策体系における位置づけと事業内容及びアウトカムとが整合していない事業が見受けられる。

 例えば、「スポーツによる地域活性化・まちづくり担い手育成総合支援事業」は「施策11-1 スポーツを「する」「みる」「ささえる」スポーツ参画人口の拡大と、そのための人材育成・場の充実」に下に位置づけられており、レビューシートに記載されている政策評価との関係においてもそのように記されている。だが、アウトカムとして示されている成果指標は「地域スポーツコミッションの設置数」及び「スポーツツーリズムに関連する消費額」、並びに地域スポーツコミッションの設立促進及び経営の多角化に関する指標であり、これは「施策11-2 スポーツを通じた活力があり絆の強い社会の実現」の施策目標に符合する。従って、本来ならば「施策11-2」に下に位置づけ、施策目標の達成に結びついているかどうか評価・検証されて然るべきである。

 ところで、この事業が政策評価書に記載されているのは「施策11-2の事前分析表(文R3-11-2)」であるとレビューシート上では示されているが、当該の事前分析表に本事業は記載されておらず、実際には「施策11-1の事前分析表(文R3-11-1)」に載せられているなど、政策評価との関連でも混乱が見られる。これでは、上位政策・施策の目標実現のために取り組まれているかどうかすら疑いの目で見ざるを得ない。

(2)アウトプット(活動指標)とアウトカム(成果指標)の捉え方

 レビューシートに記載される重要な定量的指標として、「活動目標及び活動実績(アウトプット)」と「成果目標及び成果指標(アウトカム)」がある。事業活動の直接的な産出結果(目標及び実績)を示すアウトプットは実施者視点で「誰に、何を、どのくらい行ったか」を、事業活動の成果(目標及び実績)を示すアウトカムは受益者視点で「アウトプットの効果としてどのような状況・状態の変化が得られたか」を、それぞれ示すものである。この点は、実施要領に「(成果目標及び成果実績(アウトカム)の記載に際しては)活動指標と混同することなく、事業実施により実現しようとする国民の利便性向上などの目標を成果目標とすること」と示されているように、最も基本的な約束ごとのひとつである。

 さらに、政府が推進するEBPMの考え方では、最終的な政策目標をインパクト(または最終アウトカム)として設定し、その達成に結びつく成果を「長期」「中期」「短期」の段階を追って掘り下げ、その短期アウトカムを実現する最善の手段を選択する、すなわち有効性を判断するために、アウトプットの直接的な効果を示す初期アウトカムとアウトプット、アウトプットと具体的手段のそれぞれが因果関係で結ばれるよう検討した上で、政策目標から具体的手段までの論理的整合性(いわゆるロジックモデル)を明確にすることが求められる。それを踏まえれば、レビューシートに記載されるアウトカムは、初期アウトカム(または短期アウトカム)であることが前提となる。

 ところが、実際に記載されているアウトプットとアウトカムの指標や実績には、いくつかの問題が見受けられる。

(2)−① アウトプットとアウトカムで同じ指標・目標・実績を挙げているもの

 第一に、アウトプットとアウトカムで同じ指標を設定しているものである。

 例えば、「日本武道館補助」では具体的事業として4事業が列記され、それぞれ1つのアウトプットが1つのアウトカムに結びつく1対1の関係が示されている。そのうち、青少年武道錬成大会開催事業のアウトプット及びアウトカムは「青少年武道錬成大会開催数」で同一、武道指導者講習会では「武道指導者講習会開催数」が同一、武道国際交流事業では「武道国際交流事業開催数」が同一の指標(当然ながら目標及び実績も同一)と、実に3/4が誤った設定となっている。

 これでは、表記が誤っているとか実施要領に反しているとかというだけにとどまらず、どのような効果や変容を実現しようとするのかという目的意識もなく、事業を実施すること自体が目的化してしまっていると言わざるを得ない。本事業は補助事業であるため、補助先の実績報告書に記載されている指標及び目標・実績値をそのまま転記したのかもしれないが、そうであるならばなおのこと、的確な目標・指標が設定されるよう監督・評価するのがスポーツ庁の責務であろう。

 同様の問題は、「スポーツ政策の基礎的調査及び広報活動の実施」や「Specialプロジェクト2020」、「スポーツ国際展開基盤形成事業」においても見られる。

(2)-② 本来はアウトプットなのにアウトカムに設定しているもの

 第二に、アウトカムにアウトプットとは異なる指標を設定してはいるものの、本来はアウトプット指標と見なされるものである。

 例えば、「スポーツ産業の成長促進事業」では、「官民で新たなスポーツ産業施策を議論する協議会開催回数」をアウトカムに設定している。だが、「スタジアム・アリーナを建設予定の自治体及び民間企業に対して、官民連携協議会の運営費用を支援を行う(筆者注:レビューシートに記載のまま)」並びに「スポーツ団体を対象に異業種と連携して課題解決を行う仕組み及びその実証費用の支援を行う」という事業内容に照らせば、これはアウトプットに設定するものであり、それら協議会の開催を通じて得られた効果こそアウトカムに設定すべきである。

 同様に、「Sport in Life推進プロジェクト」や「スポーツキャリアサポート支援事業」のように、公的にコンソーシアムを組成し民間団体等に参加を呼びかけている取り組みについても、参加団体数や会員数はアウトプットとして設定することが本来の趣旨にかなうものである。

(2)-③ 本来はアウトカムなのにアウトプットに設定しているもの

 第三に、上記第二とは逆に、本来はアウトカムとして設定されて然るべき指標なのにアウトプットとされている事業もある。

 例えば、「スポーツによる地域活性化推進事業(運動・スポーツ習慣化促進事業)」では、「本事業参加者の週1回以上のスポーツ実施率」「本事業参加者のスポーツ継続意欲」「本事業においてスポーツを通じて健康になったと思う人(健康だと答えた人)の割合」の3つをアウトプット指標として設定している。だが、これらは事業活動を受けての参加者の行動・意識変容を示すものであり、まさしくアウトカムそのものである。この場合であれば、アウトプットには「参加者数」や「参加者の実施回数」を設定すれば十分であり、ロジックもきれいに整理される。

 これは、本事業の実施主体である地方公共団体に補助する際にスポーツ庁が設定した指標ではないかと推察されるが、活動「結果」を端的に示す指標をアウトプットに設定するよう、早急に修正を図るべきである。

(2)-④ アウトプットとアウトカムが直接結びついていないもの

 第四に、先に触れたようにレビューシートに記載されるアウトカムは、アウトプットと直接的に結びつく初期アウトカム(または短期アウトカム)であることが前提となるが、なかにはアウトプットとアウトカムとの間に因果関係を見出すことが困難な事業が存在する。

 例えば、「生涯スポーツ振興事業」では、アウトプットの一つとして「生涯スポーツ功労者表彰及び生涯スポーツ優良団体表彰者数」が、それに対応するアウトカムとして「成人の週1回以上のスポーツ実施率」が設定されているが、功労者や優良団体を一定数表彰「し(続け)たら」成人のスポーツ実施率が向上するという論理は、因果が成立するのだろうか。表彰者(団体)数は、むしろ実施率の向上度合いに左右されるかもしれないし、そもそも両者の動向に関係性はまったくないかもしれない。実際のところ、過去の推移を見ても相関関係を読み取ることすらも難しい。普及活動等に顕著な功績のあった方々を表彰・顕彰すること自体を否定するものではないが、アウトカムの設定は実際の効力をもって判断すべきである。

 他方、上記の「成人の週1回以上のスポーツ実施率」のように、上位の政策目標であり最終アウトカムに位置づけられる指標をアウトカムとして設定しているものが、「スポーツによる地域活性化推進事業(運動・スポーツ習慣化促進事業)」や「スポーツ研究イノベーション拠点形成プロジェクト」など複数見られる。「レビューシート上のアウトカムに最終アウトカム(インパクトも含む)を設定するべきではない」と明示されてはいないため明らかな誤りとまでは言えないが、EBPMの考え方からすれば決して適切な設定とは言えず、やはりアウトプットと直接的に結びつくアウトカム指標の設定が望ましいだろう。

(3)上位政策・施策の実現に向けたロジックが飛躍しているもの

 事業のなかには、事業内容・アウトプット・アウトカムの状況や政策目標に至るロジックを考え合わせると、上位の施策目標や政策目標を実現せしめるものとは見なし難いものも見られる。

 例えば、「競技力向上支援体制の充実」は、オリンピック・パラリンピック等国際競技大会において優秀な成果を挙げた者等に対する顕彰・表彰等を行うもので、アウトプットには「競技スポーツ指導者等の顕彰等の実施数」、アウトカムには「競技スポーツ指導者等の顕彰・表彰者数」が、それぞれ唯一の定量指標として設定されている。この指標の設定そのものにも問題があるが、それよりも根本的に問題なのは、「オリンピック・パラリンピックにおいて過去最高の金メダル数を獲得する等優秀な成績を『収める』」という政策目標に対して、「優秀な成果を『挙げた』者等に対して」顕彰・表彰を行うという逆順の構造になっていることである(『』は筆者注)。勧奨や報奨を企図したものだとも推し量れるが、顕彰・表彰という行為自体に目標実現の効果が本当にあるのかどうか、実証を得た上で設定する必要があるだろう。

 一方、「障害者スポーツ推進プロジェクト」は、体制整備や連携推進を行う障害者団体への支援事業と、スポーツ用具の活用普及拠点の整備を行う普及団体への促進事業について、受託者数をアウトプットに、スポーツを実施する上での障壁に関する障害者自身の認識の変化をアウトカムに設定していた。だが、どれだけのアウトプットを重ねたらアウトカムが発現するのか、このアウトカムがどの水準になったら上位の政策目標である障害者のスポーツ実施率が目標に達するのか、事業量と目標との関係が判然としない。こうした点を踏まえて、本プロジェクトは事業構成やロジックモデルを抜本的に見直して本年度事業を推進しており、その努力は率直に評価したい。だが、後述する(5)モデル事業の横展開の問題もあり、「初期」「中期」「長期」アウトカムが本当に段階的に発現するのかは、変わらず疑問が残る。

(4)前年の指摘を受け改善した様子が見られないもの

 行政事業レビューの本来の趣旨からすれば、外部有識者や行政事業レビュー推進チームの指摘事項を踏まえて、翌年度の予算要求及び事業執行において見直し・改善結果を反映させなくてはいけない。だが、なかには何らの修正も図られないまま継続しているように見受けられる事業が存在する。

 例えば、「武道等指導充実・資質向上支援事業」は2021年度の行政事業レビュー(2020年度の事業に係るもの)において、外部有識者から「成果指標と活動指標の繋がりが不明確であるため、成果を測ることができているのか疑問であり、指標の設定について再考する必要」「事業の成果については、成果をあげていると認められず、成果の活用や課題の検証も不十分」「連続して不用額が生じていることに合理的な理由がないことから、要因分析を行ったうえで、予算額の見直し等を検討すべき」と厳しく指摘され、行政事業レビュー推進チームからも外部有識者の指摘を踏まえるよう釘を刺されていた。

 ところが、2021年度のレビューシートを見る限り、指標の設定はアウトプット・アウトカムとも見直されずそのままで、事業成果に増進は見られず、当初予算額は維持された上に執行率はさらに悪化するなど、何らの改善も図られていない。さらに、本事業は2021年度で終了したものの、「令和の日本型学校体育構築支援事業」の一部として2022年度も事業内容が引き継がれたばかりか、指標も予算額も何ら見直されていない。第3期スポーツ基本計画のスタートや事業の組み直しというタイミングがあったにも関わらず、このように真摯な姿勢に欠ける事業は、本来は廃止または抜本的見直しとすべきであろう。

(5)モデル事業により得られた成果の展開が効果的とは言えないもの

 事業の中には、目的達成のための課題の把握や解決手段の効果判断のために試行的に取り組み、有効な方策を見出して全国に展開するという、いわゆる実証事業やモデル事業と呼ばれるものが存在する。だが、ミクロ的な成功事例は創出できても、マクロ的な成果獲得にはなかなか結びつかない取り組みが、国の事業には散見される。

 今回対象としているスポーツ庁事業においても、例えば、「学校における体育・スポーツ資質向上等推進事業」は、体育・保健体育の授業の指導法に関する実践研究を行い、有益な教材や指導資料を作成し、全国に普及させ質の高い授業を実現するというものだが、体育の授業を「楽しくない」「あまり楽しくない」と回答する児童生徒を減らすという成果に結びついてきたとは言い難い。

 また、「誰もが気軽にスポーツに親しめる場づくり総合推進事業」は、学校体育施設の有効活用推進ためのモデル事業や民間スポーツ施設の公共的活用推進事業のケーススタディを実施し、好事例をガイドブック等にまとめて全国に展開しようとするものだが、ガイドブック配布の有効性も、そもそもアウトカム自体も不透明である。

 こうした状況を打破するには、「好事例が全国的に共有されれば成果を生む」という思考を当然視せず、ミクロの成功事例からマクロに展開する際の隘路などについて課題分析を行うとともに、全国展開の方策(すなわちアウトカムの段階的な発現させるためのロジック)にブレークスルーを見出す必要がある。国としては、モデル創出そのものよりも「横展開・定着」の課題把握と解決方策にこそ注力すべきではないだろうか。

3.おわりに

 ここまで指摘してきたように、スポーツ庁事業については事業内容とアウトプット、アウトカムの論理的な整合性についての課題が多数見られる。第2期スポーツ基本計画の締めくくりの年度としては、さらにEBPMの推進が図られているなかにあっては、事業構造の精査が不十分なまま課題を先送りしたようにも感じられる。

 また、今年度からスタートした第3期計画は、EBPMの考え方を踏まえた計画策定がなされたものの、定量的な政策目標の設定という観点では十分さに欠けているところも見受けられる。さらに、文部科学省の政策評価の体系と第3期スポーツ基本計画との関係で言えば、第2期計画時よりもかなり複雑な構造となっている。そのため、事業実施から政策目標=最終アウトカム(インパクト)に至るロジックは十分に整理されているとは言い難く、政策評価の事前分析表を見る限り、短期・中期・長期・最終のそれぞれのアウトカムが段階ではなく並列で捉えられてしまっている感も否めない。

 だからこそ、事業のレベルでめざす目標を的確に捉え、直接的な事業効果を示す初期アウトカムとアウトプットと具体的手段それぞれの位置づけを踏まえつつ、3つが因果関係で結ばれるよう定量的指標とともに事業設計し、その論理的整合性を行政事業レビューの手法で徹底的に効果検証しながら進捗を図るという総合的な事業マネジメントが不可欠である。それこそが、第3期計画の着実な進展を導き、かつ信頼性を担保する近道であると言えよう。目先の事業継続に執心するのではなく、より効果的で効率的な事業のあり方を追求するという姿勢を前面に打ち出して強靱な事業に作り変え、実効あるスポーツ政策が推進されることを期待したい。

  • 熊谷 哲 熊谷 哲 SSFアドバイザリー・フェロー
    1999年に京都府議会議員(3期)。文教常任委員長、環境・防災対策特別委員長等を歴任。マニフェスト大賞グランプリ、最優秀地域環境政策賞、等を受賞。また、政府の行政事業レビュー「公開プロセス」のコーディネーター(内閣府、法務省、外務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、環境省、消費者庁)を務める。
    2010年に内閣府に転じ、行政刷新会議事務局次長(行政改革担当審議官)、規制・制度改革事務局長、職員の声室長等を歴任。東日本大震災の直後には、被災地の出身ということもあり現地対策本部に2か月間赴任する。
    退職後、(株)PHP研究所を経て、2018年4月よりSSF研究主幹、2021年4月より現職。
    この間、静岡県行財政改革アドバイザー、恵那市行財政改革審議会会長等を歴任したほか、国の地域貢献型再生可能エネルギー事業、自治体の行財政改革・計画策定・職員研修等のアドバイザー及び受託実績は多数にわたる。
    著書に、「よい議員、悪い議員の見分け方」(共著、2015)。